神戸市中央区のマンションで20日夜、住人の女性が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された谷本将志容疑者（35）=東京都新宿区=が、被害女性について「（事件2日前の）18日朝に歩いているのを見かけ、好みのタイプだと思って後をつけた」「勤務先のビルに入っていくのを確認した」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
谷本容疑者の逮捕から29日で1週間。兵庫県警は供述の裏付けを慎重に進めているが、殺害された片山恵さん（24）との事件前の接点は、これまでの捜査で確認されていないという。葺合（ふきあい）署捜査本部は、片山さんが一方的に狙われたとの見方を強めている。
また谷本容疑者は、片山さんについて「全く知らない人です」とも供述しているといい、18日に見かけてから「仕事が終わる時間帯に勤務先付近で出てくるのを待ったり、勤務先に出勤するのを見ていたりした」という趣旨の説明もしているという。
谷本容疑者の逮捕容疑は20日午後7時20分ごろ、神戸市中央区のマンション内で、住人の片山さんの上半身をナイフで数回刺し、殺害したというもの。逮捕時、刺したことは認めたが、「殺意を持っていたかはわかりません」と供述したという。
事件前日の19日午後6時ごろには、片山さんの勤務先付近の防犯カメラに、黒髪と金髪の交じった若い男が映り込んでいた。
スマホを手に歩き回ったり、しゃがみ込んだり。そんな姿が、この日分の映像だけで何度も確認できた。
捜査関係者によると、捜査本部は、この男が谷本容疑者とみている。住み込みで東京都新宿区の運送会社で働いていた谷本容疑者だが、事件3日前の17日から夏季休暇を取って神戸市中央区内のホテルに滞在していたという。
捜査本部はこの日以降、ホテル近辺の防犯カメラ映像で、別の女性の後をつける様子などを確認したという。17日夜には、谷本容疑者とみられる男が20代女性の後をつけ、マンションのオートロックをすり抜けたことが判明している。
片山さんの事件でも、男がオートロックをすり抜ける様子が防犯カメラ映像で確認された。その後、エレベーター内で襲われたとみられる。
現場から380キロ リレー捜査で追った
谷本容疑者は事件2日後、現…
